1644全国視覚障害者情報提供施設協会編『点訳のてびき(第4版)』

書誌情報:全国視覚障害者情報提供施設協会発行,254頁,本体価格1,400円,2019年6月1日(第4版第2刷)発行

点訳のてびき

点訳のてびき

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現在受講している点訳講座(初級)のテキストである。
普通の文字を6点の点字機械的に翻訳すれば点訳のできあがり,というわけではないことをこの講座で知った。6点点字ですべてを表現しなければならないので,数字,アルファベット,記号なども6点の1枠あるいは複数枠を使う。なかでも「分かち書き」は,日本語語法に則りながら読みやすくするための工夫で点字ならではのものがある。
たとえば
「Bデパートは昼時になるとサラリーマンやOLたちでにぎわいます。」
という文章は,点訳では
「B(一字空け)デパートは(一字空け)昼時に(一字空け)なると(一字空け)サラリーマンや(一字空け)OL(つなぎ符)たちで(一字空け)にぎわいます。」
となる。「B」を表すのに点字では「外字符」+「大文字符」+「b」(点字の「い」を使う)と3枠を必要とする。
全国でボランティアによって作られた点訳はサピエ図書館(→https://www.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1WWW)に登録し,録音図書なども含めてデータの共有と標準化がはかられている。
本書を補完する「点訳者のための点字表記検索システム」である「点訳ナビゲーター」(→https://ten-navi.naiiv.net)は同じ全視情協による。
世界の点字表記については,World braille usage (https://www.perkins.org/resource/world-braille-usage/) が詳しい。