昨年に続いて第2回目になる調査結果が公表された(8日付および9日付)。昨年の回答校は499校,今回は30校上回る529校となった。入試方法別入学者数,学習支援,生活支援の項目が新しく,「偏差値やブランドによらない大学選びのための情報提供」が趣旨だ。設置者別に,東日本と西日本に分け,約50項目の質問事項のうち設置年,学生数,専任教員数といった基礎データだけでなく,入試方法別入学者数,退学率,標準年限卒業率,学習支援,生活支援,総合自己評価を一覧にしたものである。
このエントリーで何度か取り上げてきたように,入試方法別入学者数の公表は当然というべき事項である。慶応義塾大学,早稲田大学,明治大学,東海大学,京都産業大学などの非公表ぶりはとりわけ目立つ。日本で有数の私立大学がこんな状態でははなはだ問題だ。「新聞社にこんな対応では,受験生の質問にどう答えるのか」「危機意識が感じられない」(清成忠男のコメント)の指摘は至極当然である。
「大学の機能の2本柱である研究と教育のうち,教育に関する総合的評価の調査として多分初めてのもの」とした昨年の調査への評者評は,今回にも当てはまる。継続して特集して欲しい企画である。
- 関連エントリー
- 大学,短期大学,高等専門学校における学生支援の取組状況に関する調査→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090615/1245059799
- 『[週刊朝日ムック]2009年版 大学ランキング』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080502/1209721598
- 国立大学の授業料免除実態調査→https://akamac.hatenablog.com/entry/20081226/1230300500
- タイになったぞ,読売新聞<大学の実力――「教育力向上への取り組み」調査――>→https://akamac.hatenablog.com/entry/20081222/1229936513
- 早慶は入学者数を公開していない→https://akamac.hatenablog.com/entry/20081006/1223305103
- 橘木俊詔著『早稲田と慶応――名門私大の栄光と影――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20081006/1223305104
- 読売新聞<大学の実力――「教育力向上への取り組み」調査――>→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080721/1216626230
- 朝日新聞社出版本部「大学」編集室編『[週間朝日ムック]2008年版 大学ランキング』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20070423/1177322060