443大学の教育情報公表義務化の現状

2011年4月から大学の教育情報は公表義務化された。大学の教育研究上の目的やその基本組織,教員組織や教員数・各教員の学位や業績,入学者受け入れ方針と入学者数・収容定員・在学者数・卒業/修了者数・進学者数・就職者数など,授業科目とその方法・内容・年間授業計画,学修成果の評価と卒業・修了の認定基準,施設・設備や教育研究環境,授業料や入学料,学生支援などである。公表の際にはその体制を整備しつつ刊行物やインターネットなどによるとした。
川嶋太津夫「大学の情報 「公開」遠く 4月義務化でも国立10校超がサイト非公表」(日経新聞2011年6月20日付)によると,教育情報をウェブサイトに公表していない国立大学が10校を超えたこと,トップページにバナーを設けるなど見やすい工夫をしていたのが20数校にとどまっていること,教育情報を法人情報に入れ込んでいて教育情報が見えにくいこと,を指摘している。
大学の教育情報の公表は社会にではなく文科省に向いていること,大学ごとに公表する場所も内容も方式もばらばらであることから「全大学の相互比較ができる統一した公表様式」・「全大学が無理なら,せめて国・公・私ごとに共通様式」を提言している。
中教審審議会の大学の質保証→「学校教育法施行規則第172条の2に基づく情報公開」・「学校教育法施行規則一部改正に伴う情報公開」に基づく法令改正→教育情報の公表義務化という流れとは別に,かねてから大学の教育情報は公表すべしと主張してきた。義務化以降国立大学でなお10校超がウェブサイト非公表とは驚くしかない。