866マックス・ウェーバー作(バラエティ・アートワークス漫画)『まんがで読破 職業としての学問・政治』

書誌情報:イースト・プレス,190頁,本体価格552円,2013年3月10日発行

  • -

「まんがで読破」シリーズ(→http://www.eastpress.co.jp/manga/)にマックス・ウェーバーが登場していた。
『職業としての政治』ではマックス・ウェーバー本人のミュンヘン大学での講演(1919年)を再現している。情熱と判断力を使って最後までくじけない意志をもつ人のみが政治を天職とすべきことを熱く語らせている。
『職業としての学問』(実際の講演は『政治』に先だっている)では,現代の東京に場面を設定して,申応大学大学院農学研究科修士課程に在籍する,青果店の息子・近藤勤が主人公である。進路選択に悩みながらも,マックス・ウェーバーの言葉を交えて助言してくれる教授によって,父のいとこの農場で見習いを決心するまでを描く。人間として果たすべき「日々の要求」に向き合う大事さを勤に託している。
オーバードクターポスドク,大学院重点化,国立大学法人化の背景を織り込み職業としての学問を現代風にアレンジしている。大学教授への道を説明している箇所で,「助教授」は「助教」の間違いである(90ページ)。