小・中・高等学校等の教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部(44大学・学部)の教員養成課程および国私立の教職大学院(25大学院)の就職状況が公表された(平成27年3月に教員養成課程を卒業した者および教職大学院を修了した者の同年9月末現在の就職状況,1月29日→http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/01/1366495.htm)。
全体の概要は以下である。
- 教員就職率(卒業者から進学者および保育士を除く):68.7%(前年比0.3ポイント減少))
- 教員就職率(卒業者のうち教員就職者):60.5%(前年比0.1ポイント増加)
大学・大学院別,卒業者数等の推移,教員就職状況などを一瞥すると,いくつかの特徴を垣間見ることができる。
- 正規採用が40%を超えたこと。これは1996(平成8)年度以来の40%台である。
- 臨時的任用が25%を下回ったこと。これは1993(平成5)年度以来の数字である。
- 臨時的任用が正規採用を上回っている大学があること。北海道教育大学,福井大学,和歌山大学,島根大学,鹿児島大学,琉球大学の6大学で,いずれも2年連続している。
教員就職率とは正規採用と臨時的任用を合わせたものであり,正規採用が増加し,臨時的任用が減少している。少子化による学校・学級減少がそのまま臨時的任用を含む新規採用の圧縮に直結していないことを示している。また,正規採用率の微増と臨時的任用の微減はここ20年間で初めてのことである。臨時的任用が上回る大学の存在はおそらく道県の教員需給によるものと思われる。
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