496「日本の想い,ドイツの想い」から「独日デジタル・メモリー」へ

雑誌『.de-Magazin Deutschland』の最新号J No.4/2011がかなり前に届いていた。このなかでアメリカ議会図書館の電子化資料ライブラリー「アメリカン・メモリー」を手本にして「独日デジタル・メモリー deutsche-japanisches digtales Gedächtnis」構想があることを知った。
この構想はゼロから始めるのではなく,ビュルクナー夫妻(アレクサンダーとハルコ)が運営しているインターネット・ポータルサイト www.das-japanische-gedaechtnis.de(日本の想い,ドイツの想い)を参考にするという。「日本の想い,ドイツの想い」は,ドイツと密接な関わりを持っている日本人,日本と関わりの深いドイツ語圏出身者の軌跡を,文書データ,動画,音声で紹介している。現在100人を越える「日独交流の群像」を読むことができる。
富士電機の設立者・名取和作,画家・彫刻家・横尾龍彦,ドイツで医学を学んだ宇良田唯・高橋ミズコ,三島由紀夫大江健三郎関口存男,樋口隆一,1.FFCトゥルビネ・ポツダム所属の女子サッカー選手・永里優季も挙がっている。単語は日独併用,文章はドイツ語(一部は日本語)である。
「独日デジタル・メモリー」はベルリン・日独センターの作業グループで準備が進められており,日独交流の群像だけでなく,日独間企業提携,文化・研究機関の日独交流に関する情報も収録する計画である。
ビュルクナー夫妻は通算30年間東京で暮らし,03年夫アレクサンダーの定年退職後ベルリンに転居してからライブラリーを開設した。個人がはじめたプロジェクトがさらに大きくなる。「独日デジタル・メモリー」が具体化すればコンテンツには事欠かないだろう。