1241自然災害伝承碑

まず地図記号を見てもらおう。上が記念碑,下が自然災害伝承碑である。

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記念碑
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自然災害伝承碑

2018年の西日本豪雨時に土石流や河川の氾濫で17人の犠牲者が出た広島県坂町には,1907年に発生した大水害の被災状況を伝える石碑があったが,その教訓が生かされなかった。そこで国土地理院では自然災害伝承碑を伝えるために地図記号化を計画し,2019年3月に新たな地図記号を加えた。もともとあった上の記念碑の記号に碑文を表す縦線を加えたデザインである。2006年に風車と老人ホームの記号が加わって以来の新しい地図記号である。
国土地理院では,1)碑名:自然災害伝承碑の名称,2)災害名:同碑の対象となっている災害名,3)災害種別:同碑の対象となっている災害の種類,4)建立年:同碑が建立された年,5)所在地:同碑の所在地,6)伝承内容:碑文に記載された内容に,死者数や建物被害など被害の規模を示す情報等を補足し,100字程度に要約した情報,7)写真:同碑の写真,からなるデータを掲載している(2021年9月1日現在で,全国315区町村1050基)。教育分野,地域学習,地方公共団体での活用事例も紹介されている。
貴重な石碑も古ければ古いほど忘れられがちである。地図記号とともにしっかりインプットしておきたい情報だ。
愛媛新聞2021年9月1日付では,2面にわたる特集で,自然災害伝承碑から県内の自然災害伝承碑12基を紹介し県内の大学生らで組織している愛媛防災リーダークラブによる動画サイトで発信する取組を紹介している(→①https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=ma4wNnzji_8&feature=youtu.be;https://www.youtube.com/watch?v=eNtaAY8dJDI)。