1734今尾恵介著『地図記号のひみつ』

書誌情報:中公新書ラクレ(784),237頁,本体価格880円,2023年1月10日発行

時代を反映して塩田や桑畑の記号がなくなり,風車や老人ホーム,自然災害伝承碑が新しく地図記号になったことは知っていた。本書の地図記号(=地形図の記号)の「ひみつ」を読むと,時代の変遷だけでなく大人の事情も垣間見える。
「文」の学校記号は,現在では学校教育法1条校については記号で表示するが,それ以外は学校と名乗っていても記号は付かない。したがって,朝鮮中高級学校や中華学校は表記されない。朝鮮大学校にについては最新「平成30年調製」の図では名前自体が表示から消えてしまった(62ページ)。
わさび田も田の記号であったり,府中刑務所の塀記号がなくなったり,鉄道の記号を経営主体で区別していたり,道路しか描かれていない瀬戸大橋だったり,とひみつが満載だった。