313的場昭弘著『超訳『資本論』第3巻[完結編]――「資本主義」は,なぜ人々を不幸にするのか?――』

書誌情報:祥伝社新書(154),396頁,本体価格880円,2009年4月5日発行

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的場『超訳』シリーズの完結巻。超訳者の意図に沿って,第2巻と第3巻とを同時に紹介できればよかったのだが,懐具合が溢れ出る新書に追いつかなかった。『資本論』全3巻の解説を書こうとしたら結構骨が折れるだろう。超訳者の労を多としたい。
資本論』をいま読もうとしたら,新刊で手に入るのは新日本(上製本と新書判)と筑摩(「マルクス・コレクション」シリーズで第1巻のみ)しかないのは情けない。岩波,大月,河出,青木など復刻しても新MEGAの成果が反映されないジレンマがある。出版社のかつての「マルクス離れ」が今になってそのツケを背負い込んだように思えてならない。