書誌情報:大修館書店,223頁,本体価格1,700円,1996年4月10日発行
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荻村の文章,講演を柱に藤井の原稿をもとに,世界と日本の卓球の歴史,技術,ルール,用具をエピソードで紹介した卓球文化史である。荻村の希望に沿った内容で編集中だったが,荻村の死(1994年12月4日)後藤井が出版に尽力した。
世界選手権ロンドン大会(1954年)やドルトムント大会(1959年)の日本選手に数々の不利なジャッジを読むと隔世の感をもつ。また,1980年代以降速さと変化の技術に変化したこと,見ておもしろくするいくつかのルール改正,新しい用具の登場が技術や戦術の革新を生むことなどが理解できる。
愛好者が比較的多い割にはテレビ中継が年に数回しかない「ネクラ」――タモリがあるテレビ番組で公言し卓球人口が減ったと言われている――ならぬすばらしいスポーツである卓球の魅力が伝わってくる。
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