1104斉藤賢爾著『インターネットで変わる「お金」――ビットコンが教えたこと――』

書誌情報:幻冬社ルネッサンス新書(108),162頁,本体価格778円,2014年12月5日発行

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ビットコインの原理を「肩叩き券」にたとえられるワットシステムと地域通貨「iワット」から,マイニングと集団的承認による仕組みに落とし込んで解説していた。そのうえでビットコインはお金や富の概念を変えるものではないという。
著者が構想するのはお金を使わない方法だ。逆説的だがインターネットによってお金を介さない物々交換的社会の実現が可能になっているとする。ビットコインの登場は中央銀行だけが持っていた貨幣を発行し流通させる力を市民にもたらしたのだ。お金こそ信用できて価値があるというこれまでの常識を覆した先に富の再分配がある。
かつて構想された貨幣なき社会はインターネット時代にふたたび出現したことになった。貨幣の先か,あるいは貨幣を超えるのか。問題はここにある。