893大学生の就職と学業成績

平成27年度 学生の就職・採用活動の時期の変更に関する調査(企業)調査結果報告書」(→)と「平成27年度 学生の就職・採用活動の時期の変更に関する調査(大学)調査結果報告書(→http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/gakuseishien/1374689.htm)が公表されている。
就職・採用活動の時期の変更にともない採用する側(企業)と採用される側(学生)に大きな混乱が生じたことを受けての調査である。このなかで気になる結果があった。応募者全員に成績証明書等の提出を求めていると回答した企業は68.1%であり,応募者全員に成績証明書を「求めている」企業のうち73.3%の企業が書類選考時,面接選考時に活用していると回答した。しかし,学業成果(成績)等を採用選考活動においては「全く重視していない」「あまり重視していない」と回答した企業の合計は49.3%であった。「人物本位」で採用を決めているということだろう。
学生側では成績証明書等の提出を「全ての企業から求められた」,「概ね求められた」と回答した割合は38.1%であり,成績証明書を活用した質問では「質問されたことはない」が51.2%と最も多かった。つまり,成績証明書は提出するだけで,関連質問などはなかったが過半数を占めている。
最大のズレは,企業側が提出させているとしながら学生側の6割は提出していないというのだ。調査対象企業の限定性と回答した学生の拡散性とがこのズレの原因と思われる。それにしても在学中に学んだ中味が問われない就活になっているとなれば問題を感じざるをえない結果である。