書誌情報:講談社現代文庫,174頁,本体価格800円,2018年12月10日発行
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河田小龍(1824-1898)は土佐の画家で幕末から明治にかけて活躍した。万次郎らの海外体験を絵入りの読み物にまとめたものが『漂巽紀畧』であり,1852(嘉永5)年に土佐藩主に献上した。原本はいまだに所在不明で,全現代語版は古写本のひとつである高知市民図書館翻刻である。後者は愛知県豊川市の穂久邇(ほのくに)文庫を底本としていることが近年判明したとのことだ。
土佐に帰った25歳の万次郎から聞き出した事実と小龍得意の挿絵,万次郎自身が描いた絵を,この文庫で読めることが本書の最大の魅力だ。
万次郎がカリフォルニアで金鉱採掘に従事したことやケナカ島(裸島)での裸婦とのある「交換」事情は初めて知った。
黒船来航(嘉永6年)によってその後の万次郎の運命は大きく変わった。
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