1359熊沢誠著『過労死・過労自殺の現代史――働きすぎに斃れる人たち――』

書誌情報:岩波現代文庫(G396),xiv+434頁,本体価格1,540円,2018年12月14日発行

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『働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史――』(2010年2月)の文庫版。
80年代から2007年頃までの過労死・過労死の事例は働かせて死に至らしめる企業の殺人事件ともいえる。あおり運転が殺人事件として裁かれる時代に過労死・過労自殺が法人の過失を問うまでにいたっているのはおかしい。
本書を通して労働行政と労働組合の現状や企業と行政(労基署)の癒着という隠された構造もみえてくる。
宮城県釜石市」(142ページ)は小学生でもわかるケアレスミスだ。編集者や校正者も気がつかなかったのだろうか。