1676阪本尚文編『知の梁山泊——草創期福島大学経済学部の研究——』

書誌情報:八朔社,356頁,本体価格3,800円,2022年11月3日発行

旧帝大などを対象にした大学史論は多くあっても,地方大学を俎上に載せたそれは寡聞にして知らない。福島高商を前身とする福島大学経済学部(現経済経営学類)の草創期の教授群像から知識社会の一端を明らかにした本書は類書にない特徴を持っている。
学会誌『商学論集』を知のプラットフォームとした「福島学派」の形成,学史家・小林昇論,近代経済学者・熊谷尚夫論,経済史学の藤田五郎および庄司吉之助論,吉岡昭彦論,民法憲法憲法哲学の系譜論,とかつて在職した教授の研究を通して「梁山泊」の様子を伝えている。
本書に先行して福島大学経済学部の創立100周年記念誌『信陵の世紀——福島大学経済経営学類のあゆみ 1922〜2022——』(福島大学経済経営学類信陵同窓会創立100周年記念誌作成委員会編集,非売品,2022年10月)が発行されている。