1693帝国書院編集部編『明解 歴史総合図説 シンフォニア[最新版]』

書誌情報:帝国書院,192頁,本体価格745円,2022年2月25日発行

2022年度の高校1年生(2022年4月入学)から,18世紀以降の日本史と世界史を統合して学ぶ必修科目「歴史総合」が始まった。これまで地歴は,「世界史A」または「世界史B」,「日本史A」または「日本史B」,「地理A」または「地理B」から,「「歴史総合」と「地理総合」が必履修,「日本史探究」,「世界史探究」,「地理探求」が選択科目になる。
公民は,必履修の「現代社会」に代わって「公共」なり,「政治・経済」,「倫理」が選択科目となる。
これに合わせて,2025年1月実施の共通テストでは,必修科目と選択科目との組合せから出題となる。たとえば,「歴史総合」+「日本史探究」,「歴史総合」+「世界史探究」となり,地歴・公民の2科目の場合は,「歴史総合」+「日本史探究」+「公共」+「倫理」,「地理総合」+「地理探求」+「公共」+「政治・経済」のような組み合わせになる。
共通テストでは「地理総合」,「歴史総合」,「公共」のいずれか1科目は必ず受験することになる。
新学修指導要領では,歴史を理解する力,歴史に関する様々な情報を適切に調べてまとめる力,歴史事象の意味や特色について多面的・多角的に考察して説明・議論できる力,近現代史の事象についてよりよい社会の実現のために探求する態度,日本国民としての自覚・自国の歴史への愛情・他国の文化を尊重することの大切さの自覚,の資質・能力の育成を謳っている。
本書は,巻頭に長﨑と岩倉使節団,スペインかぜ流行を置き,世界全図と東アジア全図で見る歴史で全体を通観し,近代化,世界秩序の形成と変化,現代のグローバル化までを扱っている。
そもそも日本史と世界史を統合した新科目の設置を提言したのは日本学術会議だったことを思い出した。