書誌情報:明石書店,255頁,本体価格1,400円,2015年7月25日発行
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いまは存在しない日本社会党にあって最左派に社会主義協会があった。向坂逸郎を理論的支柱として『社会主義』の刊行や労働大学によって日本の労働運動(とくに三池闘争)に少なからぬ影響力をもった。
山崎(正しくは「大」ではなく「立」の「さき」)は向坂の甥にあたり,日本社会主義青年同盟(社青同)委員長,社会主義協会事務局長,社会主義協会代表代行を経験した。佐藤は高校時代に社青同に入っていたことがある。社青同・社会主義協会の当事者として社会主義運動・労働運動とソ連社会主義について語った証言録としては貴重だ。
社会党の分裂と統一から党名変更と新社会党結成,社会主義協会も分裂・再建とマルクス主義を標榜する勢力としては20世紀後半に存在していた政党・理論集団として歴史に名を残すだけになった。「労農派マルクス主義」(佐藤)に「戦後日本に世界水準の思想と運動があった」(帯の惹句)とは思えない。
蔵書と旧宅跡地は法政大学に寄贈され,法政大学向坂逸郎記念国際交流会館になっている(→http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/shisetsu/gakugai/sakisaka.html)。
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