書誌情報:三修社,175頁,本体価格1,300円,2010年4月20日発行
- 作者:田村 智子
- 発売日: 2010/03/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本語から英語にする時,日本語をそのまま英語にしても英語にならない,分かりやすい日本語にして英訳できる日本語に直したあと英訳する。日本語の再加工(リプロセシング)は同時通訳者も瞬時にしていることだという。
日本語の独特の表現100例――「お知恵を拝借」,「そこを何とか」,「先日はどうもお世話になりました」,「ご足労いただけませんか」,「ではそういうことで,一つよろしくお願いします」,「本日は皆さん無礼講ということで」,「結構いける口ですか?」,「お疲れ様でした」などなど――をリプロセシングして英訳を示す。日本語と英語の言語特徴を咬ますというのがミソだ。
「そこを何とか」の例では,まず「そうしていただくのが難しいのは重々分かっておりますが,あえてこのお願いをしなければならないのです」とする。そのうえで「私はその困難さを理解しています。しかし,私は,それでもまだ,この大きな好意を請わなければならないのです」とリプロセシングする。そして,最終的に英訳 I understand the difficulty, but I'd still have to ask you this big favor. にする。
同時通訳者は聞いた日本語そのものではなく真意を自然な英語にするという。直訳ではなくリプロセシングのトレーニングをすれば英訳のスキルアップ間違いなしだ。
また,コラム「英訳を苦手にしている原因は主語」にあるように,英文の最初の名詞である主語が英訳のさいに出てこないことが多い。加算か不可算か、単数か複数か,定冠詞か不定冠詞かと迷って一向に英語がスタートできないのだ。
通読しても必要に応じて参照しても「お知恵を拝借」できる。I wonder if you could give me some advice?
「これをご縁に,今後ともどうぞよろしくお願いいたします」 We hope to serve you again in the future.
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