書誌情報:中央公論新社,120頁,本体価格933円,2012年9月25日発行
- 作者:読売新聞教育取材班
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: ムック
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大学受験真っ最中の時期,今となっては遅いかもしれないが,「受験生の皆さん,少なくとも,この程度の情報を正確に出せる大学を選んでください」(清成忠男コラム,12ページ)。入学する大学が決まってから読んでも(眺めるだけでも)いい。
今回から学部別の一覧になった。調査回答大学は632大学1995学部(回答率87%)である。
調査項目は,「学生数/定員」,「専任教員数/専任以外」,「本務職員/兼務職員」,「学部数」,「2012年度入試方法別入学者」,「2年次編入」,「3年次編入」,「退学率」,「卒業率」,「意欲と目的意識」,「基礎学力づくり」,「学習支援」,「多様な学び」,「発達障害」,「国際化」,「経済的支援」,「転学部」,「転学科」,「退学者数の情報公開」,「総合自己評価」と学習環境項目を充実させている。
「退学者数」の情報公開をしているのは3割弱189大学,国公立で23大学と低い。北海道大学,東北大学,東京大学,名古屋大学,大阪大学,九州大学も公開していない(わが愛媛大学も)。さらに,依然として「入試方法別入学者」(総数,一般,AO,指定校,付属・系列*1)を明らかにしていない大学がある。国士舘大学,日本大学,早稲田大学,名城大学,関西学院大学,福岡大学などである。早稲田大学の空欄がとくに目立つ。
「卒業後の進路」調査一覧中(「卒業予定者」,「卒業者」,「正規」,「契約」,「パート等」,「研修医」,「進学」)の「契約」,「パート」欄の無記入も散見される。ここでも早稲田大学の姿勢が図抜けている。「卒業予定者」は空欄,各項目の男女数も集計されていない。
「夢をかなえようと高額な学費を支払い入学してくる受験生に対して,「不都合なデータは隠します」というのは,あまりにも誠実さを欠いていないでしょうか」(「あとがき」)。
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*1:「推薦」がないので,総数と数字が一致しない。「AO」と「推薦」を別にして調査するのが現実に対応すると思う。