書誌情報:日本経済新聞出版社,567頁,本体価格2,400円,2014年10月8日発行
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日経新聞の「やさしい経済学」は愛読欄のひとつだ。もひとつあげれば一面だけのスポーツ欄で,網羅性には欠けるがスポーツ評論が好みだ。それはさておくとして,「やさしい経済学」連載に加筆・修正した既刊本『現代経済学の巨人たち』(1994年;日経ビジネス人文庫,2001年,[isbn:9784532190569])と『経済学をつくった巨人たち』(1995年;日経ビジネス人文庫,2001年,[isbn:9784532190729])を合体したのが本書である(宇沢弘文執筆「T・ヴェブレン――進化論的経済学――」を新収)。
人物ごとの一話完結で執筆者によって現代経済学への影響や他の経済学者との比較・参照に濃淡がある。取り上げられた経済学者の主要著書とノーベル経済学賞受賞者一覧も付いていて使い勝手がいい。
- 第1章 経済学の7人の英雄
- 第2章 経済学をつくった人びと
- 第3章 限界革命の群像
- 第4章 近代化する経済学
- 第5章 ケインズ革命の攻防
- P・A・サムエルソン――科学としての経済学――(佐和隆光)
- M・フリードマン――マネタリズムの信仰――(香西 泰)
- J・R・ヒックス――動学化の幕を切る――(根岸 隆)
- R・F・ハロッド――現実的課題への挑戦者――(金森久雄)
- J・ロビンソン――イギリス・ケンブリッジ派の闘将――(福岡正夫)
- J・トービン――華々しい経済論争の展開――(浜田宏一)
- F・モジリアニ――マネーの動きを追う――(辻 正次)
- J・E・ミード――より良い社会の実現――(本間正明)
- 第6章 現代経済学の巨星たち
- J・M・ブキャナン――経済学に政治を取り込む――(石 弘光)
- J・K・ガルブレイス――資本主義の暴走を憂う――(加藤 寛)
- K・J・アロー――素晴らしき洞察力――(中谷 巌)
- K・G・ミュルダール――平等を求めて――(丸尾直美)
- S・クズネッツ――実証経済学のエキスパート――(篠原三代平)
- W・レオンチェフ――産業連関分析の生みの親――(新飯田宏)
- L・R・クライン――マクロ経済のモデル化――(森口親司)
- G・ベッカー――経済学は人間学――(猪木武徳)
- J・v・ノイマン――経済学を変えた二つの論文――(塩沢由典)
- 終章 経済学――時代とその役割――(林 敏彦)
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