1502島村恭則著『みんなの民俗学——ヴァナキュラーってなんだ?——』

書誌情報:平凡社新書(960),271頁,本体価格880円,2020年11月13日発行

民俗学の研究対象をあらわす新たな術語であるヴァナキュラーを使い,現代民俗学の一端を紹介している。

自分の家,キャンパス,働く人(消防士,トラックドライバー,鉄道,水道,裁判官,OL)の身近なヴァナキュラーから,喫茶店モーニング,B級グルメ,水上生活,宗教にいたるヴァナキュラーまで多種多様である。

市民的公共圏とは異なる「対啓蒙主義的な公共圏」・「ヴァナキュラーな公共圏」(163ページ)であるからには,「啓蒙主義的合理性や覇権・普遍・主流・中心とされる社会的位相」の相対化によってなりたつ人間生活すべてが対象となる。

アニメなど虚構の祭りなどが現実世界で再現されることを「フォークロレスク/オステンション」で説明し,また,インターネットを介して既存の宗教体系とは異なる世界が展開されていることを紹介している。民俗学はことほどさようにいまを扱うヴァナキュラーなのだ。

-関連エントリー
--松本修著『全国マン・チン分布考』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20181202/1543754494
--関根康正・新谷尚紀編『排除する社会・受容する社会――現代ケガレ論――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090425/1240653408

-1年前のエントリー
--長崎,宇田・木原ペア,木原・長崎ペアが優勝(卓球世界ジュニア選手権)→https://akamac.hatenablog.com/entry/2019/12/02/222621
-2年前のエントリー
--松本修著『全国マン・チン分布考』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20181202/1543754494
-3年前のエントリー
--個人戦もいよいよ佳境に(世界ジュニア卓球選手権大会)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20171202/1512221021
-4年前のエントリー
--男女ともベスト4進出(卓球世界ジュニア選手権)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20161202/1480686272
-5年前のエントリー
--大学等の産学連携等実施状況(平成26年度)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20151202/1449062935
-6年前のエントリー
--団体男女とも決勝進出(世界ジュニア卓球選手権大会)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20141202/1417527733
-7年前のエントリー
--石部是清著『大学パラダイス』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20131202/1385992183
-8年前のエントリー
--日露戦争のロシア人捕虜収容所写真集→https://akamac.hatenablog.com/entry/20121202/1354458375
-8年前のエントリー
--尾木直樹諸星裕著『危機の大学論――日本の大学に未来はあるか?――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20111202/1322838388
-10年前のエントリー
--アルフレート・ネメチェク著(高階絵里加訳)『ファン・ゴッホ アルルの悲劇』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20101202/1291298805
-11年前のエントリー
--おさぼり
-12年前のエントリー
--おさぼり
-13年前のエントリー
--おさぼり