書誌情報:東京大学出版会,x+173+8頁,本体価格2,800円,2016年2月29日
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アクティブラーニングが本になるということはアクティブラーニングがまだ定着していないからである。学習手法だけでなく環境デザインの変革も伴うアクティブラーニングであればこそ徐々に着実に大学教育に浸透しつつあるのも事実である。その実践が東京大学教養学部で大学の肝いりで始まったことに大きな意味を持つ。
「自分で関われば学ぶ(Involve me and I learn)」や「言われても忘れる。教えてもらったらいちおう覚える。参加させてもらったら学ぶ(Tell mi and I forget. Teach me and I remember. Involve mi and I learn)」とアクティブラーニングは,認知科学の知見とコンピュータ技術との結婚の成果である。20年前アメリカのコンピュータ利用教育の現場を見たとき,デューイの考え方をベースにしていること,構成主義や協同学習を実践していることを学んだ(本書第1章でも概括されている)。
イリイチやベナールもその時から読み始めた気がする。アクティブラーニングが制度化された教育と伝統的職人論を乗りこえて展開できるのか。教養教育の実践の先でこそアクティブラーニングの真価が試されるような気がする。
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