1236キアラン・ファーヘイ著(梅原進吾訳)『ベルリン廃墟大全――ナチス,東西分割,冷戦…光と影の街を歩く――』

書誌情報:青土社,191頁,本体価格2,600円,2016年12月20日発行

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'ABANDONED BERLIN' (http://www.abandonedberlin.com) でベルリンの廃墟を撮り続けてきた著者の写真紀行文だ。

  • 解剖学研究所
  • グリューナウ社交場
  • ベーレンクヴェル・ブルワリー
  • ルーダースドルフ化学工場
  • 製氷工場
  • エリザベト療養所
  • グリューナウ放送局
  • ガルバーティタバコ製作所
  • グラボージー療養所
  • バーナウ陸軍制服事務局
  • ホーヘンリューヘン療養所
  • ホーネッカー・シェルター
  • イラク大使館
  • クランプニッツ兵舎
  • ヒンダラー邸跡
  • ラガー・コラッレ
  • オリンピック選手村
  • ジーメンス
  • シュプレーパーク
  • SSベーカリー
  • ガソリンスタンド
  • トイフェルスベルク
  • フォーゲルサンク
  • ブランケンブルク人民警察宿舎
  • ブッフ森林治療院
  • ヴァーナーバード
  • 森の町ヴュンスドルフ

 名前からしナチス東ドイツ(東ベルリン)時代を想起できる建物がある。多くは19世紀末からナチス時代,東ベルリンおよび旧ソ連「統治」,ベルリンの壁崩壊を経て現在に残る廃墟である。
ベーリッツ療養所は『戦場のピアニスト』や『ワルキューレ』のロケに使われた。ベルリンオリンピック(1936年)の選手村はオリンピック主会場から西16キロメートルにあったドイツ国防軍の土地が使われ,終了後はドイツ国防軍の歩兵学校に,戦争後はソ連が「占領」していたという。
文化財として保護指定を受けているものもあれば,跡地利用の高層マンション建築の計画もある。ここには近代史を映し出すベルリンの廃墟がある。