1235河合雅司著『未来の年表――人口減少日本でこれから起きること――』

書誌情報:講談社現代新書(2431),206頁,本体価格760円,2017年6月20日発行

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少子化と高齢化は別のことだ。少子化に歯止めをかけることはできるが,高齢化は避けられない。にほの喫緊の課題を,出生数の減少,高齢者の激増,勤労世代(20〜65歳)の激減に伴う社会の担い手の不足,これらが関連する人口減少,とまとめ,「静かなる有事」と呼ぶ。出生数が100万人を切った2016年から21の項目で人口減少カレンダーを示し,団塊世代が全員75歳以上になる2024年や高齢者人口がピークをむかえる2042年などを明示する。
そのうえで,高齢化対策を9つ,第3子以降に1000万円支給の具体案を提起し,少子化・高齢化に立ち向かう術を主張している。高齢化しつつ人口減少が進む日本の見取り図としては刺激に富む一書だ。