1254山本博文監修『江戸の「事件現場」を歩く』

書誌情報:祥伝社新書(512),252頁,本体価格800円,2017年9月10日発行

江戸の「事件現場」を歩く(祥伝社新書)

江戸の「事件現場」を歩く(祥伝社新書)

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江戸にかぎらず事跡を訪ね,かつて住んでいた人や事件・事故を想像するのは好きだ。東京は一度も住んだことはないが,出張の度に何度かそうした場所に辿り着いたことがある。
江戸でおこった事件でも伊予松山藩江戸屋敷西条藩,吉田藩も出てくる。評者と同じ名字の木更津の大親分も登場する。直心影流の男谷精一郎が竹刀の長さを三尺八寸に規定したことも「事件現場」から知った。
小塚原刑場で「腑分け見学」を許された杉田玄白らとあるが,実際に腑分けをしていたのは誰かまで踏み込んでくれると「事件現場」には見えてこない歴史の真相まで伝わってきただろう。