1286文化審議会「公用文作成の考え方」(建議)

文化審議会文部科学大臣に「「公用文作成の考え方」について」を建議した(2022年1月7日→https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/93650001_01.html)。

国語審議会の建議「公用文作成の要領」(1951年,翌1952年に内閣官房長官依命通知別紙として各省庁に周知))および文化審議会国語分科会「新しい「公用文作成の要領」に向けて」(2021年3月12日)をふまえて,公用文に関する既存のルール,慣用及び実態に基づき,表記,用語,文章の在り方等に関して留意点をまとめたものである。

エントリーで何度か触れてきた2点のみ意見を述べる。

ひとつめは,句読点の使い方についてである。今回の建議ではこうある。

句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは,
読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし,一つの文書内でどちらかに統一する。(原文では「,」ではなく「、」)

解説ではさらに説明を加えている。

句点には「。」(マル),読点には「、」(テン)を用いることを原則とするが,横書きでは事情に応じ て「,」(コンマ)を用いることもできる。ただし,両者が混在しないよう留意する。学術的・専門的 に必要な場合等を除いて,句点に「.」(ピリオド)は用いない。欧文では「,」と「.」を用いる。(原文では「,」ではなく「、」)

なぜそうするのかについての説明がない。評者は「,」「。」を使ってきたし,これからも使う。縦書き印刷物では「、」「。」になる。

ふたつめは,日本人の姓名のローマ字表記についてである。

日本人の姓名をローマ字で示すときには,差し支えのない限り「姓―名」の順に表記する。姓と名を明確に区別させる必要がある場合には,姓を全て大文字とし(YAMADA Haruo),「姓―名」の構造を示す。(原文では「,」ではなく「、」)

同様に,解説では説明を加えている。

日本人の姓名をローマ字で表記するときには,差し支えのない限り「姓―名」の順を用いる。姓と名を明確に区別させる必要がある場合には,「YAMADA Haruo」などと姓を全て大文字とし,「姓―名」 の構造を示す。
名を1文字目だけで示す場合には,「Yamada H.」「YAMADA H.」「Yamada, H.」などとする。(原文では「,」ではなく「、」)

ここでもなぜそうするのかの説明がないが,結論には賛成だ。日本は「「姓―名」 の構造」なので「「名―姓」 の構造」に逆にする理由がないからだ。

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