1635吉村昭文学館編『吉村昭没後15年 私の好きな……——令和3年度企画展——』

書誌情報:吉村昭記念文学館,64頁,税込価格460円,2022年2月21日発行

吉村昭没後15年の企画展(2022年1月21日〜3月21日)の図録である。
資料収集や現地調査(ちなみに,北海道には150回,長﨑には107回足を運んでいるという)で訪れた飲み屋や食べ物屋は多く,行きつけの店を記載した十六を作っていた。宇和島では,サツマ,うどん(やまこうどん),鯛めし(丸水),鰻(横堀食堂),ホッタレいわし(平家),福麺(斎藤鮮魚店),テンプラ(田中蒲鉾店),ふかの湯ざらし,魚料理(平家),ハランボウ,松山ではおでん(さえずり),ししほの名前があった。
大の凧好きだったということで,松山凧(松本元枝作)はコレクションのひとつだった。
万年筆を愛用し,下書き用,清書用,推敲用,随筆用,日記用,手紙用など目的別に使い分けていて,書き味の調整にはマツヤ万年筆病院(長崎市)に依頼していたそうだ。原稿用紙は満寿屋製を愛用していた。
等身大の吉村昭を身近に感じることのできる図録だった。