927生八ッ橋か焼八ッ橋か

あるテレビ番組で若者の好きな和菓子のトップが八ッ橋だった。おそらくこの和菓子の八つ橋は生八つ橋ではないかと思われ，餡を入れたのが1960年という。その後現在の三角形になり「聖」と呼ぶようになった（株式会社聖護院八ッ橋総本店専務取締役鈴鹿可奈子「京都再発見　八ッ橋　味は伝統，美味しさは万人に。」ミネルヴァ通信「究」No.147，2023年6月号）。

八つ橋は元々焼菓子で，江戸時代の箏曲家八橋検校に由来する。検校死後の1689年に作られたのは，黒谷の常光院に墓参に訪れる弟子たちに向け，参道の茶店で箏の形にしたからである。米粉と砂糖と肉桂（シナモン）を使って作った焼菓子を作る前の生地が生八ッ橋だった。上の文では「当初は八ッ橋を焼く前の生地が生八ッ橋だったのではないだろうか。いつの間にか柔らかい現在の物となった」としている。

1689（元禄2）年創業の老舗には「生」と「焼」の歴史があった。

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