書誌情報:文春新書(1394),227頁,本体価格850円,2022年11月20日発行
『文藝春秋』2022年9月号,10月号の特集記事を中心に新書として編集された一書は,統一教会の違法性と反社会性からはたして宗教組織なのかという問いに繋がっている。「もはや宗教ではなく,宗教の皮をかぶった集金マシーン」(小川寛大,183ページ)であるからだ。
山上容疑者を駆り立てた深層,自民党派閥工作の教団内部文書,献金極秘文書,宗教二世問題,合同結婚式,教会教義,文鮮明一族の闇を論じ,宮崎哲也,島田裕巳,仲正昌樹,小川寛大の討論で締めていた。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)による違法性の判例(伝道と教化の方法,献金と物品購入の強制,合同結婚式への勧誘)からして,統一教会に関わること自体が統一教会にエールを送ることである。また,スパイ防止法,家庭教育支援法,青少年健全育成基本法など法整備過程で統一教会の働きかけによってなんらかの影響があったと推測されており,実態の解明がもとめられている。
そもそも,日本を「サタン側国家」とし,文鮮明を「王の王」とする「神の国・地上天国」を2006年につくると宣言していた。それを知らぬかのようにほおかぶりして自(民党)統(一教会)連立政権の蜜月ぶりの責任は重い。これに絡めて自(民党)創(価学会)連立の分析は対談で触れられていた。
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