1660松尾匡著『コロナショック・ドクトリン』

書誌情報:論創社(論創ノンフィクション027),237頁,本体価格1,800円,2022年9月1日発行

著者は以前から自公政権(実はプラス旧統一教会:評者の判断を付け加えている)で進む中小個人事業淘汰政策を批判してきた。タイトルの「コロナショック・ドクトリン」とは「コロナ禍をチャンスとした中小個人事業淘汰政策」を指し,「コロナショック・ドクトリン」を生み出す日本経済の推移と背景を分析している。
参院選前までのシリーズ本に収録された論稿を中心に編集しており,サナエノミクス(これも評者の言葉で著者は使っていない)や「菅=アトキンソン路線」など時論的評価をそのままに,21世紀の「帝国主義論」を企図した野心作である。
中京民商事務局員との対談はコロナ禍の中小企業者たちの息づかいを伝えている。