1377杉本博司「レーニン」


岩波書店『図書』2023年5月の表紙を飾っていた。杉本博司の写真集からのもので,マダム・タッソー館(ロンドン)の蝋人形がモデルか。2022年1月号から杉本の「portraits/ポートレート」が始まっている(→https://www.iwanami.co.jp/search/g8324.html)。
表紙裏には「固く握りしめた拳,どこか遠くを見据えるその眼差し。レーニンの旨には誇らしげに鎌とと槌と星のバッジが付けられている。鎌は農民,槌は労働者を象徴し,この二者の共闘により赤い星,共産主義国家が実現したということななのだ」以下,杉本の解説があり,「共産主義市場経済と不倫した社会は官僚的独裁体制に姿を変え,今や本物の怪物として世界を跋扈している。労働者と農民による平和で平等な社会という理想は,今,深く息を潜めている」と筆を置いている。