1805松尾匡著『反緊縮社会主義論ーー脱成長論と帝国主義の超克ーー』

書誌情報:あけび書房,286頁,本体価格1,800円,2024年7月7日発行

現在の資本主義を新自由主義から裁量的国家介入体制への転換期としてとらえ,地域帝国主義的傾向を強化しているとし,反緊縮経済政策論(=総需要拡大策)を軸にした体制変革論を提起している。
疎外論,アソシエーション論,国内産業回帰策などのほか,ウクライナ戦争のやガザ虐殺の経済的背景まで21世紀帝国主義論の射程は広い。類書を見ることが少ない反緊縮の理論と政策を展開した本書は,現代の課題を直視し,体を張って日々奮闘している多くの人たちへのメッセージでもある。
(108ページ図1の「受容サイドの拡大策」は「需要サイドの拡大策」の誤植だろう)