1689José. 川島良彰著『人生を豊かにしたい人のための珈琲』

書誌情報:マイナビ新書,199頁,本体価格870円,2022年6月30日発行

コーヒーハンターとして名を馳せ,コーヒー学の実践をしている著者の最新コーヒー論である。
「コーヒーの品質はイチにもニにも豆次第」,「コーヒーはワインと同じようにフルーツである」は言い得て妙である。コーヒーは自前のミルで挽けは,スーパーで買ってきた某コーヒーメーカーの豆だが,コーヒー愛好家の評者もずっと実践している。
日本のコーヒー熱は,1950年のコーヒー輸入再開と1960年の輸入自由化を第1の波とし,1970年代のコーヒー専門店ブームが第2の波,1990年代の自家焙煎ブームやスターバックスの上陸が第3の波だそうだ。しかも,著者によれば,日本のコーヒーは高品質な豆が集まり,焙煎技術に優れ,抽出の多様性や技術をもっている。
石油価格や化学肥料(ロシアとウクライナ両国は最大の輸出国!)の高騰などによる生産コストと国際相場は高止まりが続く。SDGsの17のゴールすべてに関わりをもつコーヒーが変われば世界が変わる(本書の強調点)ことがよくわかる。