002日系ブラジル人が卓球国際大会で優勝

Cazuo Matsumoto という日系ブラジル人(3世?)の卓球選手が ITTF ワールド・ツアー・スペインオープン(2013 ITTF World Tour, Spanish Open, Euro Africa Challenge Series,17 Jan 2013 - 20 Jan 2013, Almeria, ESP)のシングルスで優勝した(→http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2194&category=pt)。Matsumoto 選手の初めての国際大会優勝だけでなく,17年のITTF ワールド・ツアーの歴史でブラジル人,南米およびラテンアメリカで初めての優勝者となったとある。ヨーロッパやアジアのランキング上位者は参加していないが,快挙といっていい。
最新の世界ランキング94位,ラテンアメリカおよびブラジル1位の選手である(1985年8月2日生まれ)。まず写真を見てもらおう(昨年6月のブラジルオープンから→http://www.ittf.com/_front_page/ittf_full_story1.asp?ID=28284&Category=)。

185cm,85kgの堂々とした体から放つ回転の多いフォア・ドライブとブロック,フリック,強打と多彩なバックで,前陣での攻守を特徴としている。ラケットに注目してほしい。国際的にはいまや絶滅危惧「器具」となった日本式ペンラケット(ラケットとラバーのメーカー・種類は不明)を使いこなしている。バックにきたボールはバックハンドで処理する。日本卓球が世界を制した時代の日本式ペンラケットの選手(荻村伊智朗,伊藤繁雄,河野満,小野誠治,斎藤清,江口冨士枝,松崎キミ代,深津尚子,小和田敏子,星野美香など)とも韓国代表の監督・劉南奎,世界トップクラスの柳承敏や金澤洙ともまったく異なる日本式ペンラケットの使い手である。オールフォアという日本式ペンラケット選手の固定観念を破るインパクトがある。裏面打法を駆使しない表ソフトで速攻を得意としたかつての中ペン中国のスタイルにちかい。
シェークハンドや中ペンにしてもラケットの表・裏の両面を使うのが現代の卓球と言われている。日本式ペンラケットはブラジルで独自に進化していた。シェークハンドの日本選手と日本式ペンラケットの Matsumoto 選手が対戦することになれば,「本家」の Matsumoto 選手を応援してしまうだろう。
ITTF の itTV (http://www.ittf.com/ittv/ から '2013 ITTF Spanish Open') で Matsumoto 選手の勇姿を見ることができる(光線の加減で少々見づらい)。