富津市立図書館がイオンモール富津(3階)内に開館したのは2023年4月1日のことだ(→https://www.city.futtsu.lg.jp/0000006790.html)。株式会社図書館流通センター(TRC)が指定管理者で,「気軽に立ち寄れる,出会い・学び・憩いの場としての図書館」を謳っている。市民が買い物などによく行くショッピングセンターなどに図書館があるのは悪いことではない。というのも,既存の多くの公共図書館は依然として貸すから借りに来いの立地やサービスのところが多いからだ。
すでにつがる市立図書館(→http://tsugaru-city-lib.sakura.ne.jp)もイオンモールつがる柏内にTRCを指定管理者として開館しており,荒尾市立図書館(→https://www.arao-lib.jp)はゆめタウンシティモール内に開館し,紀伊國屋書店と Seattle's Best Coffee が隣接している。荒尾市立図書館については荒尾市教育委員会「地域とつながる図書館:荒尾市立図書館の新たな試み」(『カレントアウェアネス-E』No.440, 2022.8.4→https://current.ndl.go.jp/e2521)が「地域の中核施設として機能」していることを報告している。
イオンモール神戸南店には神戸市兵庫区役所が運営する個人学習・読書が可能な学習スペース「みんなの学び場」を設置しており,図書コーナーを神戸市立兵庫図書館が担当している(→https://www.city.kobe.lg.jp/e90232/167034847542.html)。また,神戸市立名谷図書館(→https://www.city.kobe.lg.jp/a09222/kosodate/lifelong/toshokan/facilities/myodani_lib.html)は大丸須磨店4階に開館している。
千葉市中央図書館(→https://www.library.city.chiba.jp)と千葉市生涯学習センターの複合施設内にドトールコーヒーが開店し,公立図書館施設内に初出店である(2016年5月3日)。公共図書館としてはこれに先立ちスターバックスが武雄市図書館(→https://takeo.city-library.jp,2012年)と岐阜市立図書館(複合施設みんなの森ぎふメディアコスモス)(→https://g-mediacosmos.jp/lib/,2015年)に開店している。
話題を愛媛県立図書館に転じる。堀之内内にあり,NHK と愛媛県立美術館が隣接し,競輪場や市民プールが隣接していた時代を知る評者にとっては落ち着く空間である。ただ,分かりにくい場所にあるのと建物の老朽化で,子規博や坂雲に比べると文化を売り物にしている県都・松山にある中核図書館としてはいささかさびしい。館長も行政職のようだ。少子化や高齢化への対応策のひとつとしても県立図書館の活性化は欠かせないと思う。
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- ジェームズ・W・P・キャンベル著ウィル・プライス写真(桂英史日本語版監修野中邦子・高橋早苗訳)『美しい知の遺産 世界の図書館』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20150302/1425305795
- 神代浩編著『困ったときには図書館へ――図書館海援隊の挑戦――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20150114/1421246406
- 猪谷千香著『つながる図書館――コミュニティの核をめざす試み――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20140304/1393936757
- (社)日本図書館協会図書館調査事業委員会編『日本の図書館――統計と名簿 2012――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130315/1363358180
- 加藤信哉・小山憲司編訳『ラーニング・コモンズ――大学図書館の新しいかたち――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130221/1361458792
- 山内祐平編著『学びの空間が大学を変える――ラーニングスタジオ/ラーニングコモンズ/コミュニケーションスペースの展開――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20101222/1293025066
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