1168岡本真/森旭彦著『未来の図書館,はじめませんか?』

書誌情報:青弓社,194頁,本体価格2,000円,2014年11月15日発行

未来の図書館、はじめませんか?

未来の図書館、はじめませんか?

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日本(だけではないが)の数多くの図書館を見てきた著者の図書館論が詰まっている。「有名な図書館でできていないことが,名もなき図書館でできている」・「ひとつとして,なんの発見もない図書館はありませんでした」(82ページ)は至言だ。24時間開館図書館もあの武雄市図書館・歴史資料館も約3200館ある公共図書館のひとつであり,3200の図書館の形があっていい。図書館施設はないことを逆手にとって公共施設に図書館機能をもたせて「図書館」を造った例もある。
まちづくり,地域づくりと図書館との関わりもしっかり押さえている。にぎわいをつくり地域・まちおこしは図書館機能の2階にあたり,情報・知識を提供する1階部分がしっかりしていないといけないのだ。
公共図書館が産業支援,議会支援,行政支援,観光支援など,またMOOCの展開に可能性を見ていた。翻って大学図書館には学習支援・研究支援はあっても大学行政支援はない。新しい役割を担う図書館には大学図書館を加えてもいいだろう。