397災害救助法の壁

NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災  “仮設6年”は問いかける〜巨大災害に備えるために〜」を観た(→http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170311_1)。
震災後6年を経ても3万5千人が仮設住宅で暮らしている。20年前の阪神淡路大震災では5年で全員が仮設住宅を出て公営住宅や自宅に戻ったとされるから復興支援にほど遠い。
番組では災害への一時的対応として最低限の住居しか提供できない現状と直下型地震時の東京のシミュレーションから家賃補助ができない災害救助法の限界を指摘していた。
70年前に制定された災害救助法では半恒久的住居を建設できず,物的支援しか想定していない。阪神淡路大震災の経験から被害者支援から復興支援まで一貫して内閣府が担当することになったにもかかわらず,復興支援が遅れているために仮設住まいが長期化している状況に対応できていない。内閣府の参事官が現行法にもとづいて工夫して対応している,東日本大震災仮設住宅の課題をふまえて健闘すると発言していた。3万5千人がいまなお仮設住宅に住んでいる現状をまったく見ない驚くべき官僚的対応だ。
NHKの番組としては異例の政府・官僚への批判的姿勢だったにもかかわらず,評者の消化不良は復興大臣,副大臣政務官,あるいは,岩手,宮城,福島選出の国会議員への取材がなかったことにある。