735経済理論学会編『季刊 経済理論』第51巻第2号

書誌情報:桜井書店,128頁,本体価格2,000円,2014年7月20日発行

  • -

特集は,一昨年9月に完結した MEGA 第 II 部門「『資本論』とその準備労作」(全15巻,23分冊)についてである。この部門編集については日本の研究者の参画があって完結したといっても過言ではない。
第1巻第1分冊(『経済学批判要綱(1857-58年)』)が1976年のことであった。MEGA 編集は,旧ソ連旧東ドイツマルクスレーニン主義研究所の解体にともなうアカデミックな編集に姿を変え,国際マルクスエンゲルス財団の設立やベルリン=ブランデンブルク科学アカデミーのプロジェクトとしての継続として現在にいたっている。
MEGA 編集・刊行はとりあえず2015年までは確定しているが,その後については不透明である。

ジャンル 執筆者 タイトル
特集 MEGA第 II 部門(『資本論』とその準備労作)研究の現在――第 II 部門完結にあたって―― -
- 前畑憲子 特集にあたって
- 大谷禎之介 「資本の一般的分析」としての『資本論』の成立――MEGA第 II 部門の完結にあたって――
- トーマス・クチンスキー(大谷禎之介訳) MEGA所収諸版にもとづく『資本論』第 I 巻の新テキスト版――読みやすく信頼できる版を編纂する――
- 宮川 彰 資本論』第2部について――スミス・ドグマ批判によるマルクス再生産論の形成――
- 宮田惟史 資本論』第3部第3篇草稿の課題と意義
- 小西一雄 マルクス信用論」における草稿研究の意義
論文 江原 慶 恐慌の両極性――市場における恐慌の基礎――
- 宇仁宏幸 J. R. コモンズの累積的因果連関論――『制度経済学』と1927年草稿の比較分析――
- 田添篤史 産業連関表を用いた置塩型利潤率の計算における資本労働関係の分析――2000年代初めにおける日本介在の構造変化の抽出――
書評 伊藤 誠 ロベール・ボワイエ著(山田鋭夫植村博恭訳)『ユーロ危機――欧州統合の歴史と政策――』
- 武田信照 小幡道昭著『価値論批判』
- 水島多喜男 秋山誠一著『国際経済論』
- 橋本健二 熊沢誠著『労働組合運動とはなにか――絆のある働き方をもとめて――』
- 村上研一 十名直喜著『ひと・まち・ものづくりの経済学――現代産業論の新地平――』
書評へのリプライ 松井暁 自由主義社会主義の規範理論――価値理念のマルクス的分析――』に対する書評(評者:青木孝平氏)へのリプライ
大会準備委員会 経済理論学会(第62回(2014年度)大会)のご案内とプログラム -
佐藤良一・大野隆 経済理論学会(第2回若手セミナー)のお知らせ -
八木紀一郎 経済理論学会ラウトレッジ国際賞(JSPE International Book Prize)の創設 -
論文の要約(英文) - -
刊行趣意・投稿規定 - -
編集後記(矢吹満男) - -