1678ヴォーン・グリルズ著(国枝成美訳)『北京今昔——写真で比べる中国大都市の近現代②——』

書誌情報:創元社,144頁,本体価格5,500円,2022年9月20日発行

北京には3度行ったことがあり,本書に出てくる北京今昔を実見の記憶とともに辿ることができた。
国共内戦日中戦争文革と大きな転換点を見続けた近代の紫禁城は歴史の証人でもある。かつてのイギリス公使館は今は中国国家安全部および公安部になっている。1910年に建設された横浜正金銀行はドームの載った塔はそのまま残っており,中国の金融機関が入っている。かつて日本陸軍将校が行進した長安大街は幹線道路として拡幅され,儀式用のアート門は見当たらない。盧溝橋1945年には国民党兵士が映っている。日本敗戦前か後か。
崩れかけた長城も植樹のない明十三陵もかつては普通だった。